第3回復興デザイン会議全国大会を、2021年11月27日(土)、28日(日)に開催いたします。
今年度は、熊本大学で現地・オンラインのハイブリッド開催といたします。熊本大学内で開催する審査会・講演等をオンラインで配信し、一部希望する参加者と講演者には現地で参加していただく予定です。
参加申し込み時にオンライン参加/現地参加の希望をご記入ください。
概要:「複合災害と新たな都市像」をテーマに,復興デザイン会議第3回全国大会を熊本で開催します.COVID-19の長期化と,気候変動によって災害が複合化する中で地域デザインの在り方が大きく変わろうとしています.災害に直面する地域の人権や社会的分断に対して,人口減少が進む地域と東京,さまざまな都市の空間像と新たな共同関係はどう描かれるべきでしょうか.U30復興デザインコンペ「複合災害と新たな都市像」では,社会基盤,建築,都市,計算や模型,映像を駆使した都市の設計提案を募集します.
開催日時:2021年11月27日、28日
主催:復興デザイン会議、共催:熊本大学 くまもと水循環・減災研究教育センター
プログラム
11月27日(土)
9:00-9:10 開会
開会挨拶 実行委員長 柿本 竜治
来賓挨拶 熊本大学長 小川 久雄
9:10-11:10 U30復興デザインコンペ公開審査
審査委員長:内藤 廣(建築) 副委員長:宮城 俊作(ランドスケープ)
審査員:髙橋 一平(建築)、星野 裕司(土木)、乾 久美子(建築)、千葉 学(建築)、羽藤 英二(都市)
(昼休憩)
12:15-14:15 U30復興デザインコンペ最終審査
14:20-15:20 基調講演「文明と感染症」 山本 太郎(長崎大学熱帯医学研究所)
15:35-17:05 「福島”復興”~生活者の視点から~」
太田 慈乃(土木学会誌)、鈴木 敦己(東京大学/福島大学)、菅野 真由美(放射能からきれいな小国を取り戻す会)、
村上 道夫(大阪大学)、定行 まり子(日本女子大学)
17:15-19:00 表彰式
祝辞 小川紀一朗(アジア航測株式会社)
復興研究論文賞(審査委員長:原田 昇(中央大学))、 復興政策・計画・設計賞(審査委員長:羽藤 英二(東京大学))
表彰式終了後-20:00 オンライン懇親会
挨拶 原田 昇(中央大学)
11月28日(日)
8:30-10:30 若手・学生による復興デザイン研究発表
小関 玲奈(東京大学)、曽我部 哲人(京都大学)、野口 雄太(九州大学)、荒木 笙子(宇都宮大学)、
大津山 堅介(東京大学)、荒木 雅弘(東京大学)
10:40-12:10 「熊本地震から 5 年,その先へ」
柿本 竜治(熊本大学)、宮島 哲哉(熊本県)、吉海 雄大(熊本大学)、原田 奈穂子(宮崎大学)、宮田 有佳(益城町)
12:20-14:20 全国高校生復興デザインコンペ2021
14:30-16:00 「情報をめぐる復興デザインー地域知の蓄積と活用に向けて」
山本 佳世子(電気通信大学)、小谷 仁務(京都大学)、Pongpisit Huyakorn(Thammasat University)、
鈴木 さち(UNESCO Jakarta Office)
16:10-17:25 全体討議
17:25-17:30 閉会挨拶
來山 尚義(復建調査設計株式会社)
参加申し込み
- 参加申し込みはこちら(Google Form)からお願いします。フォーム内で、お名前・ご所属・メールアドレス・オンライン参加/現地参加の希望等をご回答ください。
- 今年度はハイブリッド開催とする予定ですが、Covid-19の流行状況によって、現地参加の人数を制限する場合がございます。その場合は、現地参加の希望に添えない場合がございますので、予めご了承ください。
- オンライン(Zoom URL)での参加方法については、後日、メールでご案内します。
- 参加費は無料です。
- 全国大会についてのお問い合わせがありましたら、こちら(Google Form)からご連絡ください。
- 本シンポジウムは、土木学会 継続教育(CPD)プログラムに認定されております。受講証が必要な方は、講演会の終了後、下記のフォームから所見・感想をお送りください。
※認定は二日間別々になっております(11/27:認定番号JSCE21-1307(6.5単位),11/28:JSCE21-1308(7.9単位))。それぞれの日の所見・感想をお送りください。
感想受付フォーム:https://forms.gle/HbZb8YoY2ViTStGD7
また、11月26日(金)に現地見学会(島原ツアー、熊本ツアー ※希望者のみ、人数制限あり)を企画しております。こちらからご確認・ご応募ください。
セッション詳細情報(随時更新)
27日 15:35-17:05 福島”復興”~生活者の視点から~
東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所事故にともなう放射能災害により,福島県浜通り地域を中心とした人口移動は暫時生じており,都市・住まいの形も,この10年,絶えず変化している.津波による大きな被害を受けた地域で復興により新たな生活が始まる一方で,原子力発電所の近隣自治体における生活・都市活動は回復の最中にある.さらに,徐々に除染や汚染土壌の運搬が進み,生活を元の地域に戻し,復興を進めていこうとするタイミングで,Covid-19による感染症流行により,他地域との交流を閉ざさざるおえず,復興への歩みはさらに困難な状況になっている.
十年が経ち,東京五輪が行われた中で,復興への意識は遠のきつつあることを否定できない.しかしながら,福島では,多くの人が,いまもなお,故郷を離れた生活を続けている.福島が抱える問題は深刻かつ複雑であるが,復興デザインに携わる実務者・研究者が,福島で起きている出来事を自分事として捉え,考え,復興の歩みを進めていくためには,各々が「生活者」の視点を持つことが重要ではないか.10年間の福島の復興を「生活者」の視点から振り返った上で,福島のこれからについて議論し,自身と福島との関わりについて考えるきっかけの場としたい.
コーディネーター:須沢 栞(日本女子大学),浦田 淳司(東京大学)
28日 8:30-10:30 若手・学生による復興デザイン研究発表
非定常状態を対象とする復興デザイン研究と、定常状態を対象とする様々な学問分野との境界領域では何が起こっているのか?我々は他分野から何を学び、また他分野は復興デザイン研究から何を学ぶのか?本セッションでは様々な視点から復興研究に取り組む若手研究者達が所属する分野の垣根を越えて闊達な議論を交わし、これらの長期的な問いと向き合う。
セッションの前半では多角的な視点から復興デザイン研究の理論体系を再考することを試みる。まず復興デザイン研究の周辺領域で行われている研究を小括し、本セッションの発表内容が非定常-定常過程の中でどのように位置付けられるのかを明らかにする。その後、ミクロ・マクロな視点から復興過程と向き合ってきた若手研究者からの問題提起を踏まえた上で、復興研究の基礎となる復興原論の構築可能性を議論する。セッションの後半では、津波災害を伴う大規模災害時の避難行動やその後の中・長期的な居住地選択問題に対し、現場と理論の両方の視点から実施された研究の発表と議論を通して、将来の復興デザインを考える上で規範となりうる知見を探る。
全体を通して、非定常過程を対象とする復興デザインという研究分野が、分野内の様々なネットワークを通じて、定常過程を対象とする境界領域へ広がっていくことができるのか?その中で若手研究者がどのように復興デザイン研究分野に貢献していくのかを考えるきっかけとしたい。
研究梗概: 小関 玲奈、曽我部 哲人、野口 雄太、荒木 笙子、大津山 堅介、荒木 雅弘
コーディネーター:渡邉 萌(熊本大学)、小林 里瑳(東京大学)
28日 10:40-12:10 熊本地震から5年,その先へ
被災地で大学研究者が本当に役に立つには?を副題として、セッションを展開する。
東日本大震災等の先災地からのアドバイスを踏まえて、熊本大学は、地元大学が被災地に関わる方法を模索し実行してきた。その過程を小括しながら、行政がアカデミズムに求める本音、被災地の地元大学のあるべき姿等を探る。また、様々な災害の支援者・行政職員のメンタルヘルスを支援してきた専門家より、益城町での活動を紹介いただくとともに、研究者が現場に関わるあり方の示唆をいただき、今後の災害時への参考情報とする。
コーディネーター:星野 裕司(熊本大学)、円山 琢也(熊本大学)
28日 12:20-14:20 全国高校生復興デザインコンペ2021
災害は忘れた頃にやってくる。長い時間、地域で暮らしていれば、災害に直面することもあるでしょう。災害が一度起きれば、地域の存続そのものが左右されることになります。危機に直面した地域で、わたしたちは、身の回りの暮らし、経済、文化の問題解決を迫られることになるでしょうか。そのとき、私たちは、何を頼りに、復興のための道筋を描けばいいでしょうか。「地域のよりよい理解」を下敷にした「災害復興への備え」を考えることが今求められています。
全国高校生復興デザインコンペは、「地域のよりよい理解」を下敷にした「災害復興への備え」を推進すべく、地元の高校生からアイディアを募集し、地域での実践活動へ接続していくことを目的とした大会です。
参加高校:
八幡浜高等学校、今治北高等学校 大三島分校、今治西高等学校 伯方分校、宇和島東高等学校、三崎高等学校,
浜松工業高等学校、新居浜南高等学校
審査委員長:羽藤英二(東京大学)
審査委員:菊池雅彦(国土交通省)、佃悠(東北大学)、中野寛隆(復建調査設計株式会社)、牧澄枝(アジア航測株式会社)、益子智之(早稲田大学)、小関玲奈(東京大学)
28日 14:30-16:00 情報をめぐる復興デザインー地域知の蓄積と活用に向けて
私たちは、復興デザインにおいて「情報」を十分に活かせているでしょうか?
地域における時間や空間の情報は、救助・避難・構想・計画・設計・運営などあらゆる復興デザイン行為の基盤である。災害発生前に情報システムや技術を開発し、発災後に都市を構想・計画するための地域情報を解読し、中長期的な危機の最中で漸次的に情報を収集する。どの局面においても、情報は必要不可欠だ。自然災害や感染症、気候変動など「災害」が複合化する中で、学際的アプローチによる研究と実践のためには、地域における知の共有を超えて、その蓄積と活用の方法を具体化しなければならない。
本セッションでは、「情報」を切り口に復興デザインの未来を考えることを目指し、国内外の先進事例の紹介を通して、その課題と可能性を探る。
コーディネーター:小野 悠(豊橋技術科学大学)、益子 智之(早稲田大学)