第4回復興デザイン会議全国大会 災間を生きる都市

第4回復興デザイン会議全国大会を、2022年11月25日(金)から27日(日)にかけて開催いたします。

 今年度は、東京大学で現地・オンラインのハイブリッド開催といたします。東京大学内で開催する審査会・講演等をオンラインで配信し、一部希望する参加者と講演者には現地で参加していただく予定です。参加申し込み時にオンライン参加/現地参加の希望をご記入ください。

概要:「災間を生きる都市」というテーマで,第4回復興デザイン会議全国大会を東京で開催致します.毎年のように起こる豪雨災害,過去に起こった震災からの復興が進む中で近い将来起こりうる巨大地震に対する備えをすすめる必要性など,繰り返し起こる災害と災害の間に都市は存在していると言えるのではないでしょうか.人々の価値観も多様化する現代において,こうした災間において空間は,都市は,そして我々は何をできるのでしょうか? 本会議を通じて皆様と議論できればと思います.

開催日時:2022年11月25日-27日
主催:復興デザイン会議、共催:東京大学 次世代都市国際連携研究機構

現地会場:
26日午前 東京大学本郷キャンパス 工学部1号館2階演習室
26日午後以降 東京大学本郷キャンパス 工学部11号館HASEKO-KUMA HALL

プログラム

11月26日(土)

9:00-9:10 開会
 開会挨拶 実行委員長 目黒 公郎 
9:10-11:10 U30復興デザインコンペ公開審査
 審査委員長:内藤 廣(建築) 副委員長:宮城 俊作(ランドスケープ)
 審査員:髙橋 一平(建築)、星野 裕司(土木)、乾 久美子(建築)、栃澤 麻利(建築)、羽藤 英二(都市)
(昼休憩)
12:15-14:15 U30復興デザインコンペ最終審査
14:20-15:20 基調講演「超多様化時代と『排除を生まない都市』」
 森 千香子(同志社大学)
 コーディネーター:福田 大輔(東京大学)
15:35-17:00 “Refugees and Migrants in the International Society with Disasters”「国際化と難民・移民」
 Mohammad Moinuddin(大阪大学)、前川 美湖(笹川平和財団)、佐藤 美央(国際移住機関)
17:15-19:00 表彰式
 祝辞 小川 紀一朗(アジア航測株式会社)
 復興研究論文賞(審査委員長:原田 昇(中央大学))、 復興政策・計画・設計賞(審査委員長:羽藤 英二(東京大学))
表彰式終了後-20:00 フォトセッション(受賞記念撮影と歓談)
 挨拶 本田利器(東京大学)

11月27日(日)

8:30-10:00 若手・学生による復興デザイン研究発表
 金子 凌(東京大学),坂下 航徳(東京大学),杉山 和則(龍谷大学),土田 亮(京都大学)
10:10-11:35 復旧・復興は誰のためか 
 篠沢 健太(工学院大学),西野 淑美(東洋大学),横張 真(東京大学)
12:20-14:20 全国中学生・高校生復興デザインコンペ2022
14:35-16:00 「流域圏で生きる」 
 笹川 みちる(東京財団政策研究所),武田史朗(千葉大学),中村 晋一郎(名古屋大学)
16:15-17:15 全体討議
 進行 目黒公郎・本田利器・福田大輔
17:20-17:30 閉会挨拶
 來山 尚義(復建調査設計株式会社)

参加申し込み

  • 参加申し込みはこちら(Google Form)からお願いします。フォーム内で、お名前・ご所属・メールアドレス・オンライン参加/現地参加の希望等をご回答ください。
    *現地参加は締め切りました。ご了承ください。
  • 今年度はハイブリッド開催とする予定ですが、Covid-19の流行状況によって、現地参加の人数を制限する場合がございます。その場合は、現地参加の希望に添えない場合がございますので、予めご了承ください。なお,現地参加者には,体調報告などをしていただくことがあります.申し込み後,連絡させていただきます.
  • オンライン(Zoom URL)での参加方法については、後日、メールでご案内します。
  • 参加費は無料です。
  • 全国大会についてのお問い合わせがありましたら、こちら(Google Form)からご連絡ください。
  • 本シンポジウムは、土木学会 継続教育(CPD)プログラムに認定されました(11/26 6.5単位(認定番号JSCE22-1335),11/27 7.9単位(認定番号JSCE22-1336))。
    • 受講証が必要な方は、全国大会の終了後、所見・感想をお送りください。詳細は全国大会内で案内します。
    • なお、CPD登録・提出にあたっては,土木学会以外の団体に提出する場合の方法等は提出先団体に事前にご確認ください。また、他団体が運営するCPD制度に関する内容については回答いたしかねます。

また、11月25日(金)に現地デザイン見学ツアー(関東大震災の遺構を巡る復興ツアー,荒川流域治水ツアー)を企画しております。

セッション詳細情報(随時更新)

26日 15:35-17:00 “Refugees and Migrants in the International Society with Disasters” 「国際化と難民・移民」

As the SDGs slogan “Leave no one behind” suggests, it is crucial to ensure that no one is left behind, even minorities, during the disaster relief and recovery phases. This session will focus on those who may be vulnerable due to cultural and religious differences: migrants and refugees. This session aims to share examples of post-disaster issues, support, and recovery efforts for immigrants and refugees in Japan and abroad. Since internationalization is expected to progress further, this session will provide an opportunity to consider the challenges that may arise from future disasters in Japan,
and the support and reconstruction that will contribute to reducing these challenges.

Speakers:
Mohammad Moinuddin (Osaka University)
Title: Potential of foreign nationals during disasters: with reference to two mosques in Osaka, Japan
He will talk about the disaster relief activities of Islamic mosques, the daily activity hubs for foreign residents in Japan.
Mio Sato (International Organization for Migration)
Title: Migration challenges in Pakistan
She will talk about Afghan refugees in Pakistan and the relief efforts toward them.
Miko Maekawa (Sasakawa Peace Foundation)
Title: Climate change in coastal areas: with a focus on migration
She will talk about environmental migrants in Pacific Island countries.

Coordinators: Hitomu Kotani (Kyoto University), Riki Honda (University of Tokyo)

*This session will be held in English.

 「Leave no one behind(誰一人取り残さない)」。SDGsがスローガンに掲げるように、災害救援や復興のフェーズでマイノリティな人たちまでも取り残さないことが重要である。本セッションでは、その内、文化的・宗教的な相違から脆弱な立場におかれうる人たち—移民・難民—に目を向ける。そして、発災後の国内外の移民・難民に関する課題や支援、復興の事例を共有することを目的とする。国際化が一層進展すると予想される中で、今後の国内における災害で生じうる課題やその低減に資する支援や復興を考えるきっかけを提供する。

登壇者:前川 美湖(笹川平和財団)、Mohammad Moinuddin(大阪大学)、佐藤 美央(国際移住機関)
コーディネーター:小谷 仁務(京都大学),本田 利器(東京大学)

*本セッションは英語(日本語字幕)にて行われます.

27日 8:30-10:00 若手・学生による復興デザイン研究発表

 今年は政策学、建築学、水工学、文化人類学を専門とする4名の若手研究者に発表いただきます。南海トラフや首都直下地震の危険性が指摘されている中、津波想定地域や首都圏ではどのような対策が求められているのでしょうか?また、今年9月に東海地方を襲った大雨被害等、全国的に水害が多発する日本において、我々は分野の垣根を越えて課題解決に取り組むことができるのでしょうか。復興デザイン研究分野の若手研究者はそのネットワークを広げながら、山積する問題に向き合っていきます。

登壇者
・杉山和則(龍谷大学大学院 政策学研究科 修士課程)
「南海トラフ地震による津波想定地域における商業店舗の立地動向に関する研究」

・坂下航徳(東京大学大学院 工学系研究科 修士課程)
「遠隔地避難における官・民の居住支援の構造化の試み」

・金子凌(東京大学 生産技術研究所 JSPS特別研究員 (PD))
「AIと予測する豪雨災害」

・土田 亮(京都大学大学院 総合生存学館(思修館)博士課程)
「災間を生きる都市に住まう被災者の行為と意志に関するケア/選択のロジックの試論」

27日 10:10-11:35 「復旧・復興は誰のためか?」

 復旧・復興は誰のためか?一見自明なこの問いも、復旧・復興が長期化し災害による人口流出が懸念される場合、答えることは容易ではない。本ラウンドテーブルでは、福島県・復興祈念公園計画と岩手県・釜石市でのフィールドワークの事例から、地域の外の人びとをどのように復旧・復興に包摂できるのか、他方で、地域の側はどのような論理で外の人びとに向き合ってきたのか、あるいは向き合っていくのかを検討する。
 復旧・復興において、未来世代―そこには外の人も含まれる―に向けていかに余白を残すことができるのか?そして災害以前から地域に生きる人びとは、何を重視し、何を我慢し、諦める必要があるのか?地域の内と外、双方の視点から落としどころを探りたい。

登壇者:篠沢 健太(工学院大学),西野 淑美(東洋大学),横張 真(東京大学)
進行:中尾 俊介(東京大学)

27日 12:20-14:20 全国中学生・高校生復興デザインコンペ2022

 災害は忘れた頃にやってくる。長い時間、地域で暮らしていれば、災害に直面することもあるでしょう。災害が一度起きれば、地域の存続そのものが左右されることになります。危機に直面した地域で、わたしたちは、身の回りの暮らし、経済、文化の問題解決を迫られることになるでしょうか。そのとき、私たちは、何を頼りに、復興のための道筋を描けばいいでしょうか。「地域のよりよい理解」を下敷にした「災害復興への備え」を考えることが今求められています。
 全国中学生・高校生復興デザインコンペは、「地域のよりよい理解」を下敷にした「災害復興への備え」を推進すべく、地元の中高校生からアイディアを募集し、地域での実践活動へ接続していくことを目的とした大会です。

参加校:
阿南工業高等専門学校、宇和島東高等学校、大阪教育大学附属天王寺中学校、なみえ創成中学校、新居浜南高等学校、浜松工業高等学校、三崎高等学校、八幡浜高等学校

審査委員長:羽藤英二(東京大学)
審査委員:川上佐知(復建調査設計株式会社),菊池雅彦(国土交通省),中居楓子(名古屋工業大学),牧澄枝(アジア航測株式会社),益子智之(東京都立大学),増田慧樹(東京大学)

27日 14:35-16:00 「流域圏で生きる」

 近年よく目にする「線状降水帯」や「ゲリラ豪雨」などの言葉にあるように,極端な気象現象の増加は水害の多頻度化・激甚化をもたらしている。河川から水が溢れないようにする近代治水から、流域全体でリスクを分散し水害を軽減させようとする流域治水へ、気候変動に適応すべく治水の在り方は変化している。
 長い歴史の中で都市は水害により多くの命や生活を失ってきた。流域という単位は広大であり様々な立場の人々が関わっている。さらに都市化、人口減少、気候変動、情報化など多くの要素が時代とともに変容していくなかで、国内外の流域治水を取り巻く状況はどのように変化し,どう発展してきたのだろうか。
 「災間に生きる都市」のテーマに沿って考えたとき、海や川は災害時と日常時で全く異なる顔を持つだろう。人間が生活し生きていくために必要不可欠な河川という側面を踏まえつつ、具体的な事例ととも地域住民の生活を豊かにする流域について考えていきたい。本セッションでは、これからの持続可能な流域治水の実現のために、今どのようなことが求められているのか、現状の課題と今後の展望を見据えて議論する。

登壇者:笹川 みちる(東京財団政策研究所),武田史朗(千葉大学),中村 晋一郎(名古屋大学)
コーディネーター:安藤 宏恵(熊本大学),浦田 淳司(東京大学)

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