審査総評
国内外の復興に取り組んでいる個人、自薦・他薦合わせ26 名の応募者に対して、彼らの主要論文・関連論文を推薦理由も参照し、13 名の審査員で評点付け、審査委員会にて受賞者を決定した。
復興に関わる学術的な理論や研究方法論の構築、知見や技術の体系化など、多彩な研究者の中から、復興デザインへの貢献や地道な継続を重視しての選定となった。この復興論文賞の取組みが、復興研究の多様な展開を推し進める一助となることを期待する。
審査委員長 原田 昇
受賞コメント
最優秀賞
近藤 民代(神戸大学)
持続的で住みよい復興を阻害しないために自主住宅移転再建に対する空間的な誘導がいる!と指摘した研究ですが、従来の計画論の域を超えません。今後は復興期に生じる都市空間変動の不確実性に対処する「適応力」に着目し、変動適応学への転換を目指します。
円山 琢也(熊本大学)
熊本地震の被災地の現場で学生や同僚の先生等と一緒に続けている支援活動をきっかけとして生まれた論文を評価いただきありがとうございます。学生や同僚の先生方等と一緒に受賞したと受け止めており、今後も地元大学として現場に長期的に関わっていきたいと思います。
優秀賞
小谷 仁務(東京大学)
今回、優秀論文賞という身に余る賞をいただき感謝申し上げます。これまでの論文の共著者や調査協力者にもお礼申し上げます。何よりも現場で日々格闘されている方々に敬意を表します。今後は自然科学や人文社会学分野との一層の共同により総合的に災害研究を推進していく所存です。
佃 悠(東北大学)
この度は、大変栄えある賞を頂戴し光栄に思います。今回ご評価いただきました東日本大 災被災地での研究は、現地のみなさまのご協力無しには実現できなかったものです。まもなく、発災から10 年を迎えますが、引き続き被災地や社会に貢献できる研究を行ってまいりたいと考えております。
奨励賞
河瀬 理貴(東北大学)
このたびは、復興研究奨励論文賞という栄えある賞をいただきありがとうございます。指導教員や共同研究者など多くの皆様に改めて御礼申し上げます。今後も、復興研究に寄与できるように、救援物資支援の研究を追い続けていきたいと思います。
佐藤 嘉洋(熊本大学)
この度は栄えある賞を頂き大変光栄に思っております。私の研究は、多くの方にご協力頂いた熊本地震発災直後の 査活動が原点で、皆様あっての受賞と感じております。微力ではありますが、これからも地域の方々と共に復興の途を歩んでいきたいと考えています。
須沢 栞(東京大学)
仙台市、盛岡市の支援団体及び住民の皆様に支えられ、この賞を賜りました。災害後は、どこで・だれと・どのように暮らすか?といった極めて身近で本質的な選択を迫られますが、それを支える環境や体制を整えられるよう、今後も研究活動に励みたいと思います。