建築を通じた地域コミュニティの再建・再生支援
東日本大震災を契機に、これまでの工学的技術を統合して、新たな復興デザイン研究を築くために、復興デザイン研究会を開催しています。
第5回では、「建築を通じた地域コミュニティの再建・再生支援-2004年インド洋津波の経験等を通じて-」と題し、京都大学の前田昌弘氏、一級建築士事務所大庭徹建築計画の大庭徹氏 に話題提供いただきました。
開催概要
日時:2015年5月28日(木)18:00-20:30
場所:東京大学本郷キャンパス工学部14号館222号室
話し手:前田昌弘(京都大学)、大庭徹(一級建築士事務所大庭徹建築計画)
内容:「建築を通じた地域コミュニティの再建・再生支援-2004年インド洋津波の経験等をつうじて-」
主催:復興デザイン研究体/Urban Redesign Studies Unit
議論の概要
インド洋津波災害後のスリランカでの復興の状況について研究と実践を重ねる前田先生、大庭氏をお招きし、それぞれ研究者、建築家の立場からお話いただいた。
インド洋津波後、さまざまな支援が入り、多くの復興住宅が建設された。その中で多くの住民が住宅移転を行ったが、その際にどのようにコミュニティ(ここではマイクロクレジットのグループ)が変化したのかに着目し、生活の質の変化を捉えることを試みた。また、行政が大量供給された住宅地を管理しきれない状況にあり、そのことが住民による自由で主体的な住みこなしを誘発していると考えられる。
「スリランカ 旧紅茶農園長屋再生プロジェクト」では、シナリオ・プランニングを踏まえ、将来的な人口の増減、コミュニティの外部とのつながりの状況がどのような形に変化したとした場合にも、地域にとって役割を果たすことのできるプログラムを計画している。また、建物の歴史を残し、伝えるための建築デザインを試みている。