コースの概要
Introduction
常に災害の事前であり事後である。特に近年、災害は複合・多様化している。環境を形成し物流を支えるシステムの脆弱性が問題となってきた。空間計画や整備事業、維持管理の分野において、地震や津波のような突発性リスクだけではなく、環境の悪化や貧困問題、産業構 造の転換、人口構成の激変など、現代をとりまく進行性リスクへの対応も全く十分ではない。東日本大震災はそのことを社会的に認知する極めて重大な機会であった。
暮らしの再生のためには、各分野における専門性の高い知見を積み上げると同時に、それらを統合して実践に適用しなければならない。こうした認識のもと、減災・復興実践学教育プログラム復興デザイ ンコースでは、有効な社会技術を会得し、なおかつ柔軟に連携できる人材を育成することを目的としている。
建設系三専攻を中心としながらも、復興の現場で実践に取り組んでいる多様な主体と協働し、都市・地域・コミュニティ・国土レベルで 展開可能な空間モデルを構築し、展開していく。
コースの特色
Features of Course B
三専攻の学生が、1年夏学期の『復興デザインスタジオ』や『復興デザイン学』を通じて、専門を超えて議論し、分野の相違点と類似性を理解し合うことで、次の震災時に活躍する専門家を育成する。
『復興デザインスタジオ(必修科目/演習:定員12名程度)』では、被災の前/被災時/被災から今に至る三時点の空間的変容を分析し、復興による空間整備事業によって形成された現在の状況を対象としたリ・デザインを提案する能力を養う。
『復興デザイン学(コア科目/講義)』は、国や自治体等行政の方を主な講師として、被災復興の実例を対象とした実践的な側面を学ぶ。多くの学生に聴講してもらいたい。
2年夏学期『修士研究のためのコロキウム(コア科目/講義)』では、各自の修士研究の構想について多様な分野から討議し、2年冬学期はそれぞれの修士研究によって専門性を深める。