A. 巨大水災害 コース Mitigation Strategy against Major Flood Disaster

コースの概要
Introduction


 東日本大震災では、巨大な津波が社会の根幹をも揺るがす被害をもたらした。気候変動に伴う集中豪雨などの極端現象の激化や、南海ト ラフにおける巨大津波なども想定される中、巨大な水災害に対する従来の封じ込め型治水対策には限界があることを認識し、そのうえで総合的で効果的な水害に強い町づくりを具現化することのできる人材の養成が必要不可欠である。またスマトラ沖地震津波災害や、サイクロン・シドルや台風ハイアンに伴う高潮災害など,巨大水災害に対する 減災技術の確立は、我が国だけでなく、低平地に人口や資産が集中するアジア諸国においても喫緊の課題である。減災・復興実践学教育プ ログラム巨大水災害コースでは、水害減災設計学、耐水建築学、水害 減災都市システム学の三分野を柱とする新たな減災学理を構築し、大学院レベルの実践的研究と社会基盤学科、建築学科、都市工学科の三専攻横断型の講義・演習を通じて、巨大水災害の軽減に資する教育・ 研究を展開する。

コースの特色
Features of Course A

 本コースの修了要件は,①修士あるいは博士論文研究と②別表に示した講義群から、必修科目(2単位) およびコア科目(4単位以上)を含む合計12単位以上を取得することである。修士あるいは博士論文研究は 修了時に発表会を実施し、本教育プログラムの認定委員会による審査を経た後、修了が認定される。講義群は社会基盤学、建築学、都市工学の三専攻それぞれの学術領域における専門性の高い講義を含 んでおり、履修者には自身の専門領域に加え、周辺の学術領域の知見も深めることを期待する。唯一の必修科目である「巨大水災害軽減学演習」では、具体的な対象地域を設定して大規模水災害に対する現在の被害想定や防災・減災対策を調査・分析し、そのうえでより効果的な対策を検討し提案する。