講評・受賞コメント

審査総評

国内外の復興に取り組んでいる個人、自薦・他薦合わせ27 名の応募者に して、彼らの主要論文・関連論文を推薦理由も参照し、11 名の審査員で評点付け、審査委員会にて受賞者を決定した。

復興に関わる学術的な理論や研究方法論の構築、知見や技術の体系化など、多彩な研究者の中から、復興デザインへの貢献や地道な継続を重視しての選定となった。この論文賞の取組みが、復興研究の多様な展 を推し進める一助となることを期待する。

審査委員長 原田 昇

受賞者コメント

最優秀論文賞

乾 康代

最優秀論文賞をありがとうございました。東海村の原発は住宅地に取り囲まれています。住民の安全より原子力施設立地が優先された東海村の歪んだ地域開発の研究に着手して10 年。東海村から、廃炉後の地域再生のあり方を求めてドイツ、イギリスへと調査をすすめてきました。 利益誘導マネーに依存せず自立した地域、持続可能な地域をどのように描くのか、地域の方々とともに考え続けていきたいと思います。

牧 紀男

復興組織というマニアックな論文に対して、第一回目の復興デザイン会議全国大会「復興研究論文賞」という栄えある賞をいただきありがとうございます。人口減少社会における「防災」を考える上で復興ということは、非常に重要な課題だと考えております。

優秀論文賞

鈴木 さち

今回、復興デザイン会議を開いていただき、また賞を頂き、感謝しております。今後、どのような場所や環境で働くとしても、多様なステークホルダーによる災害復興やより良い居住環境の計画といったテーマを追い続けたいと思います。

萩原 拓也

この度は、「復興研究論文賞」優秀賞をいただき、誠にありがとうございます。地域が繰り返す災害に対して如何に適応してきたか、を考えることを通して、災害-復興-日常をつなぐ計画・デザインに貢献できればと思います。

奨励論文賞

益子 智之

このたびは、復興研究奨励論文賞を賜り、誠にありがとうございます。指導教員やイタリアの共同研究者、交流のある若手復興研究者など多くの皆様に心から感謝いたします。今後も、復興研究に寄与できるようにイタリア震災復興の研究を丹念に続けていきたい。

渡邉 萌

この度は奨励論文賞を頂き、誠に感謝申し上げます。受賞対象の論文は、益城町役場や多くの大学生ボランティアの方々と共同で実施した仮設住宅聞き取り調査に基づくものであり、関係者に改めて御礼申し上げます。現在も益城町を対象に活動を継続しており、復興現場の課題解決の一助となる研究成果につなげたいと考えております。